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美しい悪魔の赤

美しい悪魔の赤ep7殺害

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  尾崎ネルネの訃報を聞き、小塚雅彦は空港へ走った。

  (ネルネ、本当にごめんね・・・。おれが側に居てやれれば、寂しく1人で死んでいくこともなかっただろうに・・・。話ならいくらでも聞いてやったのに。痛くて辛くて寂しかったでしょうね。ごねんね、ネルネ・・・)

  日本へ向かう飛行機の中、ずっと心の中で懺悔していた。
  不倫なんて止めなさい、そんなことする男にろくな奴はいないんだから。そう何度も説教していた小塚に、
  「あの人、私が居ないと駄目なんです」と気の強い声で返してきていたのを思い出す。

  (だからあんな胡散臭い男、やめとけっていったのに)

  小塚はバックからティッシュを取り出すと、夕べから止まらない涙を拭いた。

  

  一ヶ月ぶりの自分のマンションだったが、もう1年も帰ってきていないように感じた。

  (ほんとにもう・・生きた心地まったくしなかったわよ・・・)

  いつものガラスの小物入れに部屋の鍵を置くと、広いリビングにある紫色のソファーに腰をかける。
  言いようのない疲労感が体中を一気に包み込み、
  「疲れた・・・」
  そう呟くと、脳みそがぐらぐら揺れるように、睡魔が襲ってきて、小塚はそのまま眠りについた。


  
  何時間経っただろうか・・・暗闇からゆっくりと目が覚める。



  ズキン・・脳天に鈍い痛みを覚えた。

  「いたっつ・・?????」

  声を出したつもりが、声が出ない。
  なにか、口に違和感を感じる。

  ん・・・ん・・・!?

  体を動かしてみる。手も足も動かせない。

  目に映るのは、こだわって買った大きなテレビ、変わらない自分の部屋。

  自分の体・・・

  「!!!!!んんぐ」

  ソファーに横になっているその小塚の体は、手が体の後ろで縛られ、足も縛られていた。

  口元はテープでふさがれている。

  急に脳が恐怖を覚え、心臓が高鳴り、叫びたいが、声が出せない。

  体を無理やり動かしながらもう一度周りを見渡した。

  大きな目だけがぎょろぎょろ動いて、自分以外の誰かがいるのか、探していた。

  そしてソファーの前にあるテーブルに目をやると、帰ってきた時にはなかった物が置かれているのに気づく。

  ワイングラスだ。

  小塚はそのワイングラスを見つめた。

  中にはワインではなく、数個の生卵が入っている。

  (な、なによこれ、ど、ど、ど、どういうことなのおれ、誰に!?なにが)

  錯乱する思考回路に収集がつかなくなっている時、

  「こんにちわ」

  (!!!!!)

  声が聞こえた。

  女の声だ。

  「むぐっ!!うーっ!!!うーっ!!!」

  全力で叫ぶが、もちろん声は出ない。目からは涙が溢れてきていた。

  女はゆっくりと歩いて、テーブルの反対側に立った。

  黒いフードを深くかぶり黒いマスクをしていて目だけが見えていたが、それは大きくて美しい瞳だった。

  しかし、小塚の目には、とてつもなくどす黒い、蠢く禍々しい塊のように思えた。

  女はじたばたする小塚を見下ろしながら、

  「生卵、私、大好物なんですよ」

  そう言って、黒い手袋をしている手でグラスを持った。

  「ほら、命の塊。ここに、4つの魂が入ってるんですよね。キラキラしていて、本当に綺麗。見れば見るほど、エネルギーを感じて、うっとりするんですよ」

  女はマスクを外す。

  小塚はもう動かずに、息を呑んでその様子を凝視していた。

  そこには、それこそ息を呑むような、美しい女がいた。

  女はその生卵を飲んだ。

  異様な景色だった。

  「この命を人間が食す・・・食物連鎖の頂点の人間って、残酷さでも頂点に立っている、そう思いません?」

  クスリと笑うと、女はまたゆっくりと歩き、小塚の顔の前にしゃがんだ。

  そして、ゆっくりと口を塞いでいたテープをはがした。

  「んっぐっ!な、なにが狙いなんだ!?どうしてこんなことを!?おれはおまえをしらないしっっつ、な、なんか、恨みでもあるのか?デビューできなかったとかなんとか・・なんかあるのか?聞くわよ話なら・・・むぐっつ!!!」

  畳み掛けるように喋りだす小塚の唇を、女は口でふさいだ。

  「んぐっ!!!」

  生卵が、どろどろと口の中に入ってくる。

  「げほっ!!げほっ!!」

  小塚はそのなんとも気持ち悪い感覚に吐き気を覚えて咳き込んだ。

  微笑みながら女は話を続ける。

  「食物連鎖の頂点に立つ人間の中でもさらに序列が存在して、人間だけで考えても、最下層から頂点までの人間に分類されてる・・・本当の意味での頂点、最上階の椅子に座れる人間とは、どんな人間だと思いますか?」

  女の目がらんらんと輝いてくるようだった。

  「お金か、権力か、力か!いいえ」

  目の前のその美しい顔が、狂喜に満ち溢れている。

  「美しさ、そして、人を食える人だけよ」

  
  ーおれは、殺されるー


  小塚はそう悟ると、嗚咽した。

  
  「これを見て。あなたの、親御さんと、妹さん、かわゆいですね」

  女は胸元から写真を取り出すと、小塚に見せた。

  こいつ・・・!!俺の家族まで調べて、殺す気だ・・・!!

  「やめてくれ、頼むから、頼むからそれだけは止めてくれ頼むから・・・っ」

  「私ねぇ、意外と、警戒されないんですよ。すんなり受け入れてくれるんですよねぇ。ほんと、ヒトって美しいものが好きなんですよねぇ」

  「止めて・・・止めて・・・それだけは・・・うっうっ」

  声にならない声で懇願した。

  「いいですよ。この人たちは食べません!約束します!ただし、あなた次第なんですけど・・・」

  「なんだ、なんでもする、だから・・・」

  
  「自殺、してほしいんです」

  
  にっこりと微笑みながら、女は確かにそう言った。


  「じ・・・じさ・・・つ・・・?」

  「はい、私が段取り考えてますんでその通りに・・・できますぅ?じゃないと、今すぐ皆殺しってことも出来ますけど・・・。良い話じゃないですか、あなたが自殺すれば、ご家族の命も助かるし、今すぐ八つ裂きにされるなんて痛みも感じずに済むんですよ?飛び降りてダーン!で、綺麗に死ねるし・・・。ネルネさんも待ってますよ」

  「ネルネ・・・、ネルネを知ってるのか」

  「当たり前ですよ。有名人ですもの。それに、私、美しい人には目がないんです」

  「まさか・・・まさか・・・」

  「ふふ・・・」

  そう言うと、またテープで口を塞いだ。

  (ちくしょう、ちくしょうー!!!)


  「あと1日考えておいてくださいね」




  

  




  そして小塚は、ビルの二階に立っていた。


  
 


  「さよなら、かぁちゃん、みんな、ごめんな・・・」





























  













      

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